NoName

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8/6/2023, 11:25:21 AM

太陽


目を閉じてもなお、存在感のある太陽が嫌いだ。抜けるような青空も、その空に浮かぶ白い雲も、茹だるような暑さでさえ君の焼けていない肌を目立たせるようで。それでいて、目の前の彼女を蜃気楼で連れ去ってしまうような気がして。

#2

8/5/2023, 11:52:29 AM

鐘の音

ドレスに身を包んだ親友が、幸せを絵に描いたような景色の中で笑っている。チャペルの鐘が彼女を、家族を、立ち会う私を祝福している。

幸せだ。
彼女が笑っているから。

それなのにどうしてだろうか。頬を伝う涙は、きっと喜びから溢れたものじゃない。

貴女の隣で私も笑いたかっただなんて
嗚呼!なんて酷い親友!

鐘の音は鳴り続けている。新郎新婦と、その家族を祝して。

その中に私はいないなんて、こんな不幸せが他にあるのか

#1