遠井一人

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7/23/2024, 10:32:50 AM

「わー、きれ〜!」

お前の方が綺麗だよ。

シスコンにも、思っても声には出さない分別があるのだ。

「お、焼き鳥売ってるな。食べるか?」
「たべるー!」

満開の花が咲いた。
やっぱ俺の妹が一番可愛いし綺麗だ。


お題:花咲いて

7/22/2024, 1:04:03 PM

「タイムマシンなんて、あっても使わないさ」

 もしタイムマシンがあったらどうしたい?
 SF好きな俺が聞いてみたら、友人はつまらなさそうにそう返した。
 視線が何故かいつもより痛い。

「そんなモンあったって幸せになれやしねぇだろ」
「言い切ったな。なんでだよ?」
「あー?そりゃあお前……」

 俺から視線を外して、そいつは言った。俺もまた、すぐそこの景色を見る。
 廃墟と荒野。寂れたそこには、生命の気配はひとつもない。

「身をもって知ったからな」
「質問を変えようか。タイムマシンを使った感想は?」
「笑える」
「……マジでどうしよう」

7/22/2024, 3:35:45 AM

「私、今とっても欲しいものがあるの」
「へぇ、俺で用意できそうか?」
「うん」
「よし、言ってみろよ。金でも飯でもアクセサリーでも、なんでも用意してやる」

「あのビルが欲しいわ」
「俺のどこを見てビルが用意できると思ったんだ?」

後でちゃんと買いました。
今は4人で暮らしているそうです。

7/18/2024, 8:09:15 AM

胡蝶の夢とかいう話がある。

人間が蝶になった夢を見ているのか、蝶が人間になった夢を見ているのか分からなくなった、というヤツ。

だとすれば。

だとすれば、かつて夢に見たあの町も、何処かに有るのだろうか。
家族とただ歩いたあの町並みは、確かに何処かに有るのだろうか。