BERA

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8/16/2024, 1:55:05 PM



どんなにふんわり柔らかくても
どんなに白く綺麗な雲をつけても
どんな形であっても
どんなに甘くても

甘酸っぱくて、綺麗な赤い色の君が

ここに居てくれなくては、
ガラスの向こうの笑顔はみられない。

きっと誰の目にも入らないだろう。

君はただ立っていても、斜めに傾げても
どんな形をしていても、間に居ても
チョコレート色のステージの上でも
君が居れば完璧に決まる。

ラズベリーカラーやブルーベリーカラーの
小さな宝石が一緒にステージに居ても
1番に目を惹くのは圧倒的に君。


透明で甘いベールをかぶった君が居れば
最高に美しく完璧。


そんな甘酸っぱく赤い君がとても誇らしい。

今日も多くの人に選ばれ、愛される
いちごショートケーキになってくれて
ありがとう。

「誇らしさ」

8/15/2024, 5:35:52 PM

今すぐこの窓から飛び出して

砂浜の足跡を上書きして

暗くて静かな夜の海に浮かぶ

月影の道を辿って行って

貴方の船を見つけたら

もう迷わず一緒にかじをとるから。







暗くて静かな夜の海を窓から眺めていた時
月影の道の上に大きい船が見えた。
なぜか分からないけれど、
呼ばれているような直感がした。
気がつけば窓から飛び出してドレスを
軽く持ち上げながら砂浜を歩き
船に近づいていた。

静かな波のメロディが聞こえる中
貴方は船の上から私を見て
私は砂浜から貴方を見た。

名前も知らない、何も知らない、けれど
貴方の頭からつま先で全てが魅力的で
目が離せなかった。
もっと触れてみたいと思った。

貴方との距離が縮まるのに
時間は掛からなかった。

毎夜、月影の上に見える船を
心待ちにして、
貴方の船で一緒にかじをとり
星を眺めながら海の散歩をした。

砂浜に付いた足跡にはどんな
物語があるのか見つけたりもした


ずっと夜の海を散歩していたいと思った。


でも日が変わる頃には必ず終わり
船を降り振り返れば貴方の存在が
嘘のように無く、1人暗い海を見ていた。

貴方と私の居る世界は別物だと
気がついていた。
知ってしまえば、
貴方がもう現れない気がして
分からないふりをしていた。


ある夜、一緒にかじをとる私の手を握り
涙ながら貴方が言った。
「ごめんね、愛してる」と


気がつけば1人暗い海を見ていた。


暗くて静かな海に浮かぶ月影の道を
ずっと窓から見ていた。
あの夜以来貴方の船は現れない。

これが正しい結末だとわかっていても

こんなにも涙が溢れ、貴方が恋しい。