7/18/2024, 4:23:35 PM
私だけの魅力ってなんだろう。ふと美紗は考えた。
顔はどこにでもいそうな平凡な顔立ちだし、体型だって中の下。仕事だって人並みにできるだけで、突出した才能もない。人からは優しいと言われるが、自分の黒くて汚い感情も知っている。
見た目も中身も人並み、いやそれ以下である自分は
これから何を盾にして剣にして世の中と戦っていけば良いのだろう。
美紗はブランコに揺られながら夏の青々とした空を見上げて大きくため息をつく。
一粒の汗が首から背中を伝うのがわかる
美紗は苦しかった。
考えれば考えるほど、自分の空っぽさが明らかになるだけだった。