7/28/2023, 5:04:47 PM
正直、浴衣なんてめんどうくさい。
動きづらいし、きゅっとするし、
そしてなにより暑くて苦しい。
夏祭りがなかったら、多分着ることないだろな。
それでもやっぱり着てくのは、
普段とは違うわたしを見せたいから。
そこらで売って、いるような
安いヤツじゃあないんだから。
おばあちゃんが作ってくれた、
殿茶に白菊、帯はからし。
正直、下駄なんてめんどうくさい。
歩きづらいし、かぽかぽするし、
そしてなにより鼻緒が痛い。
夏祭りがなかったら、履くことなんてきっとない。
それでもやっぱり履いて歩いてくのは、
普段とは違うわたしを見せたいから。
ほら、よく言うでしょう。
おしゃれは足もとからよ、って。
おかあさんが貸してくれた、
朱色の鼻緒、焦茶の台。
正直、お団子なんてめんどうくさい。
かざりは多いし、ゆらゆらするし、
そしてなによりあたまが重たい。
夏祭りがなかったら、絶対こんなにしないけれど。
それでもやっぱり結えてきたのは、
普段とは違うわたしを見せたいから。
もちろん仕上げは丁寧に。
ここでくずしてなるもんか。
おともだちと買いに行った、
あわい牡丹のおそろいのかんざし。
お化粧だって、いつもの倍は時間かけてる。
毎日の研究が大事なのよ。
いっぱいのめんどうくさいを詰め込んで、
いざ、彼のもとへ。
お代は「かわいい」のひとことでいいわ。
2023.7.29. お祭り