夢を見てたい
「うーん、美味い」
ソファに深く座り、淹れたてのコーヒーをゆっくり味わう。
「時間に余裕がある。って、最高だよなぁ」
雑誌を見ながらのんびりしていると、壁掛け時計が出勤時間を知らせる。
「さて、そろそろ出るか」
ソファから腰を上げたところで、もう一度、時計の音がけたたましく鳴り響いた。
「…あっ、なんだ、夢か。もっと夢を見てたいけどなぁ」
夢の中の僕とは違い、現実の僕は時間に余裕などない。
「おっと急がなきゃ」
急いでベッドを降りると、慌ただしく出勤の準備をするのだった。
ずっとこのまま
「幸せだね」
休日、キミとのんびりティータイムと称してコーヒーを飲んでいると、キミが笑顔で僕を見つめる。
「そうだね。キミと一緒にいられるだけで、僕は幸せだよ」
急にどうしたの?とは問わず、キミの手を握り、僕は応える。
「ずっとこのまま、一緒にいようね」
お互いに、1人の時間を淋しいと感じた僕たちだから、一緒にいられる時間が大切で愛しくて幸せで。
「うん。ずっとこのまま一緒にいよう」
微笑むと、キミも微笑み返してくれるのだった。
寒さが身に染みて
「じゃあ、またね」
電車で帰るキミを駅まで送り、家に戻った。けど
「何か淋しいし、寒い」
さっきまでキミと過ごした部屋は静かで、キミのぬくもりが消えて寒い。
「…1人には慣れていたはずなのに」
キミがいない部屋の静けさと寒さが身に染みて、キミとずっと一緒にいる未来を早く手に入れたいと思うのだった。
20歳
キミとショッピングをしていると、鮮やかな着物を着た人たちをちらほら見かける。
「ああ、今日は成人式…今は、20歳の集いって言うんだっけ、それがあるんだね」
着物を着た人たちをキミは笑顔で眺める。
「着物かぁ、みんなキレイだね。キミの着物姿もキレイだったんだろうな」
キミの横顔を見つめそう言うと
「今度、写真を見せようか?」
俺を見つめ返し、キミはにこっと笑う。
「うん、見せてほしい。けどさ」
キミの耳に唇を寄せ
「俺のために白無垢姿を見せてほしいな」
と囁くと、キミは顔を紅くし頷いたのだった。
三日月
「うーん」
結婚記念日を来週に控え、キミに何をプレゼントするか悩んでいた。
「夜景がキレイと評判な、レストランは予約した。あとは、プレゼント…」
何が良いかわからずショッピングモールをいろいろと見て回る。と、ある店のPOPが目に入った。
「大切な方へのプレゼントに」
何だろうと近づいて見てみると、モチーフの意味が書かれている。
「えーと…これにしよう」
僕が選んだのは、三日月と太陽のペアネックレス。三日月と太陽のペアは、愛し合う恋人や夫婦の象徴とされています。と書かれている。
「僕たちにぴったりじゃん。渡すときは、選んだ理由も伝えよう」
渡すときのことを想像し、ウキウキしながら、レジへ持って行くのだった。