『祈りを捧げて』
どうか、私のことをすきになってくれますように、
と祈った。
毎晩寝る前にはそう考えてた。
それなのに、どれだけ願ったとしても、
私を見てくれることはなかった。
この先もないんだろうなって心の底では思ってるけど、
少し期待しちゃって、今も毎晩願ってる。
どうか、私のことをすきになってくれますように。
『遠い日のぬくもり』
最後に手を繋いだのはいつだろう。
最後に抱きしめたのはいつだろう。
もう、思い出せないくらい前な気がした。
ずっとすれ違って、
お互い何も言えないまま時間だけが過ぎた。
もう戻ることは出来ないのかな。
日々を過ごす中での、
ひとりだけのぬくもりが寂しいのは私だけかな。
ふたり分のぬくもりが欲しいよ。
『揺れるキャンドル』
誕生日ケーキの上にあるロウソクに火をつけた。
電気を消したら、
当たり前だけど明かりはロウソクしかない。
呼吸をすると、ゆらゆらと炎が揺れる。
ふっと炎を消すと、今度は白い煙が踊り始める。
いつでも簡単に消えてしまうあたりが、
まるで命のようだと、ふと思った。
『光の回廊』
たまたま見かけて訪れた寺院。
天気は曇っていて、少し薄暗い気もする。
ふと、廊下があることに気がついた。
あぁきれいだな、と思って見ていると、
タイミングを合わせたかのように光が差し込んできた。
今しかないと思って、
急ぎでカメラを起動させシャッターを切った。
今日でいちばんの写真が撮れたんじゃないかなと思う。
『降り積もる想い』
まるで雪のようだと思った。
積もれば積もるほど、気持ちは大きくなって、
一向に消える気配がない。
会えば会うほど、舞っている雪は吹雪になった。
より一層雪が積もって溶けなかった。
どうしようもないと思った、もう元には戻れなかった。
どうにか積もり積もったこの雪を消したかった。
私は雪が降らない地域に住んでいるから、
自分の背よりも高い雪の壁をなくす方法も、
雪かきの方法も知らなかった。
暖かくなって自然に溶けるのを待つ以外に、
私にできることは何ひとつとしてなかった。