どうか私の命が燃え尽きるまで____
どうか私の命が燃え尽きるまで告白してくれ。
私はそんなに長い命じゃない。
個人差はあるけど短命である。
でも夏の終わりには欠かせなくて。
この家に来てから数日だが彼の様子を見てきた。
今日が近づく度にソワソワして落ち着かなくて、何度も告白の言葉を練習していたっけ。
どうせ燃え尽きるなら最後に聞かせてくれよ。
でももう燃え尽きそう。
最後の力を振り絞って少し大きく燃えると私の命が燃え尽きると同時くらいに彼の言葉が聞こえた。
「……俺と付き合ってくれませんか。」
きっと言いたいことはこれだったろうけど終わる前に私の命は燃え尽きた。
夜明け前のなんとも言えない雰囲気が好きだ。
夜が明ける前に起きて散歩に向かう。
夜明け前にアラームをかけるかその時間まで起きて気分転換で行くかのどちらかだ。
夜明け前の空は今から始まる1日への期待は勿論、昨日消化しきれなかった不安まで含んでいる気がして凄く好き。
この空は明けるけど私の心が空明ける日は来るのかな。
これが最初で最後の本気の恋。
今まで恋愛なんて柄じゃないと思ってた。
柄じゃないというか、どちらかと言えば追われる恋が多かった。
追われる恋も面倒なもので振り払いたくなった。
でも今は違う。
真っ直ぐに貴方を追いかけたい。
ステージで笑顔を振りまく貴方を最期まで追いかけたい。
ひとり、またひとりと仲間が消える。
ひらひらと散っていく者もいれば引きちぎられる仲間もいる。私たちの仕事は1日だけ。
仕事まではずっと待機して、終わったら捨てられる。
でもそれでいいんだ。
私たちはそういうものだからこそ1日の大切さが分かるから。
なんだろうこの喪失感
家族はもちろん友達もいる。
恋人もいるしそれなりに愛されている。
学校での地位もあるし成績だって上の方。
なのに私は何に対して喪失感を感じているのだろう。
私ってなんだろう。
なんか私は私がよく分からないな。