寂しさを埋めるために誰かに殴られて、寂しくならないために誰かを殴って、寂しさを感じないために自分を撫でて、なのに、どうしてか、寂しさは消えてくれない
夢と現実の狭間でグラグラ揺れてた。
愛する人を、殺したかった。死は他でもない生きた事の一番の証明になるから、殺したかった。泣きたくても泣けない感覚を貴方は知っているか。涙が鼻まで登ってきて、心がザワザワしているのに目の縁で栓がされる。行き場をなくした心は体をめぐって血管を傷つける。
夢の世界ならそれは起こらない。幸福な夢で愛する人とさようならができる。けれど、おきたら。全部また初めから。やり直し。
終わらせないで、幸福な夢でさようならだなんてしたくないわ。
あなたは自分で自分を終わらせたいのでしょう?存在していい理由を必死に探して、見つけられないせいで死んではいけないと考えるせいで、そのせいで追い詰められて、自分を終わらせようとするのでしょう?
いるだけでいいのに。
どうすればいいの?君を本気で愛していたのに。今、目の前にいるのは愛する人の亡霊。君と話して、収拾がつかない内に返事をして、一緒に笑う。その時だけは、楽しいと思えたのに。
どうすればいいの?君はどうすれば、生きるの?愛する人の亡霊にキスは出来ない。
人間というものは何なのだろうか。キャンドルの火のように揺れめく心を持ち、キャンドルの蝋のように心によって身が犠牲になる。
私たちは本当に人間なのだろうか。人間という型にはめて作られたただのアンドロイドでありうることはないのか。それこそ、電気羊のような、私たちは神の作ったロボットのペットでは無いのか。その可能性はゼロなのか。
人間が人間の招待を知った時に人間は自身を人間だと言うことが出来るのか。
人間というものは何なのだろうか。