【君が紡ぐ歌】
放課後の帰り道
どこからともなく
歌が聞こえてくる
誰が歌っているのか
姿は見えない
ただ美しく澄んだメロディーが
僕の耳の奥を包み込んだ
それを聴くと何だか
呼ばれているようで
つい声の主を探したくなる
いつか会えるだろうか?
会ってみたい
そう思って今日も家路についた
【砂時計の音】
さらさらと流れる砂の川
あと何分で君と会えるだろう
この砂が落ちきったら
私達はどうなってしまうのか
永遠に続くと思ってた
いつも隣には貴方がいて
会いたいた言えば
いつだって私の傍に居てくれた
そんな貴方が大好き
それももう終わりにしなきゃ
貴方を待ってる人がいる
それだけで私達の関係は
決して赦(ゆる)されるものではないから
ああ、もうすぐ砂が全て落ちきってしまう
きっと貴方は来ない
狡(ずる)い人
さようなら砂時計の恋
【愛-恋=?】
最初は恋がはじまって
恋が愛へと変わって
愛に恋が融けて命が生まれる
そして私達は家族になった
【どこまでも】
何処まで逃げても
現実(やつ)は追いかけてくる
壁の先
この先でさえ何も見えない
行き場のない焦燥
誰に頼れるわけもなく
独り暗闇で踠(もが)くのみ
それでも闇雲に走った
もしかしたらと願いを込めて
それでも奴は何処までも追いかけてくる
逃げ場なんてない
立ち向かえと心の奥が叫んでいる
ずっと無視してきた感情
涙が溢れた
どうしようもないクズな自分に
もう疲れたと途方もない明日を見上げて
いつの間にか隣には寄り添うように
現実(やつ)がいた
そうだな…
逃げるのはもう疲れたよ
俺は立ち上がる
まだ見ぬ明日を生きてくために
【未知の交差点】
想像したことなんてなかった。
まさか自分がこんなことになるなんて。
目が醒めると見知らぬ交差点の上にいた。
来たことも見たこともない。
その道は何処に繋がっているのか
ただ真っ直ぐに暗闇の奥へと続いている。
周囲を見渡せど
そこには何もなかった。
どうして自分が?
そう思っても状況が変わるわけもなく。
このままじっとしていても仕方ない。
取り敢えず歩こう。
適当な道を選んで一歩歩き出した。
この先果てのない旅になるなんて此の時の僕は知らなかった。