【君と飛び立つ】
難しいことは分からない
知りたいことはたくさんある
わかりたくても
わかってあげたくても
わからない
それでも君が
飛び立つと言うなら
僕も一緒に飛ぶよ
それで何かを得られるなら
君がそれで
救われるなら
何処にだって
何処へだって
一緒だよ
【なぜ泣くの?と聞かれたから】
「なぜ泣くの?」
君が不意にそう呟く
泣いてなんてない
「泣いてるじゃん」
だから泣いてないってば
そう言って私は君に背中を向ける
だって悔しい
君と見ていた恋愛映画
君は泣くことなく
最後まで観をえた
私だけがボロボロ
君のそのにやけ顔が腹立たしい
何故だがとても切なかった
どうしようもなかった
不意に背中が暖かくなる
「しょうがないから
泣き止むまでこのまま」
君が私を抱き締めてくれる
映画の中のワンシーンと重なって
また涙が出た
これじゃずっと抱き締めててもらわないと
いけなくなりそう
そしたらまた馬鹿だなって
君が笑うんだ
【足音】
ズルズル ズルズル…
夜中の帰り道
いつもなら
人の影すらない
ズルズル ズルズル…
何かが這いずってくるような
そんな気配を背中に感じた
ズルズル ズルズル…
その音はこちらへと向かって
来ているようで
ズルズル…ズルズル…ズルズル…
段々とそれは近付いてきて
私は恐怖し走り出した
しばらく走るとその音は聞こえなくなった
あの音は一体なんだったのか
今では確かめる術も持たない
【終わらない夏】
長い長いトンネルの奥
誰も足を踏み入れないような
廃合した建物
そこから覗く黒い陰
それに捕まったら
永遠に終わらない夏が
繰り返される
出口の見えない迷路のような
辛い現実になんて帰らなくていい
現実があったことさえ忘れられる
さぁ あなたも
「こちら側へおいでなさい」
手招きされれば
もう戻れない
【遠くの空へ】
遠く 遠く 遥か遠くまで
この想いを乗せて
飛んでいけ
きっと
後悔なんてしない
あなたのところまで
私が行けなくとも
この想いが
あなたに届くなら
それだけで