【好き、嫌い、】
スキ…キライ…
スキ…キライ…
花占い何て今の若い子はしないわよね
それでもつい年甲斐もなく
気になるあの人のことを
夕方の公園のベンチで
その辺に生えてた花を千切って
花びらを一枚一枚むしっていく
ああ、何て空しいのだろう
最後は決まって
「きらい…」
私は花びらのむし取られた茎を捨て
また新たに花を摘む
スキ…キライ…
スキ…キライ…
ただの迷信でも何でも
すがりたいのは
あなたに少しでも私を意識して欲しいから
スキ…キライ…
スキ…キライ…
それはまるで呪文のように
言葉は紡がれていく
【糸】
絡まり続ける運命の輪
一つ一つ紐解いて
やっとあなたに巡り合えた
もう離れることはない
私はあなたを
あなたは私を
見つけ出したのだから
【マグカップ】
2つ並んだマグカップ
あなたと二人お揃いで
あの雑貨屋で見つけた
大切な思い出のもの
それが今日3つになった
小さな小さなマグカップ
あなたと私
そして小さなあの子
【もしも君が】
もしも君があの時駅のホームに現れなかったら
僕の人生はこんなにも楽しくはなかっただろう。
もしも君があの時僕に声をかけてくれなかったら
今の僕はここにはいない
だってあの時僕は自らの命を絶とうとしていたんだから
それでも思い止まれたのは君が僕に笑いかけてくれたから
こんな僕でもここに居て良いよと言ってくれていようで
もしも君が、もしも君が…
どんな言葉を並べても良い足りない
僕がどんなに君を大切か
君をこんなにも愛しているか
ただ言えるのは
こんな僕の傍に居てくれて
寄り添い続けてくれて
ありがとう
今度は僕に君を守らせてほしい
愛しています
【君だけのメロディ】
君はよく鼻歌を鳴らす。
良いことがあった時
二人で並んで帰る道
夕飯の準備
お風呂上がりのドライヤー
君は唇を尖らせながら
気持ち良さそうに口ずさむ
僕はそんな君をこっそり覗き見る
なんて愛おしいのか
「…何?」
不意に君が振り返った。
僕は慌てて首を振ると君は不思議そうにまた鏡に向き合う。
危ない危ない。
こんなこと言ったらきっと君は照れて
もうあの鼻歌は聴けなくなる。
それは少し寂しすぎるので
僕だけの秘密にしておかなくては。
そう思いながらまた彼女の鼻歌に耳を傾けたのだ。