【誰も知らない秘密】
私があなたを好きなこと
【静かな夜明け】
涙が止まらなかった。
もう無理なんだ。
どんなに私が好きでも、相手に嫌われてしまったならもう仕方ない。
やめよう。
このまま好きでいても相手に嫌われてるならもうやめにする。
さよなら私の片想い。
【hearttoheart】
あなたと繋がりたい。
ちゃんと心で。
私だけがあなたを好きで。
毎日切なくて涙が止まらない。
もういっそう言ってしまいたい。
あなたが好き。
【永遠の花束】
欲しい。
【隠された手紙】4
「どうしたことでしょう…」
カーテンを開いた先には白い壁が現れた。
そしてその下の本当に下の方に小人かあるいはネズミが通れそうな本当に小さなドアがあった。
そっと鍵穴を覗いてみると。
「あっ…ウサギだ!」
鍵穴のその先には畏(かしこ)まった格好の白いウサギの後ろ姿が見えた。
「でも、どうして?
どうやってこのドアを抜けていったのかしら?」
白兎はこのドアよりも断然大きい。
それなのに小さなドアを通り抜けることなど無理なのだ。
なら何故ウサギはこのドアを通り抜けることが出来たのか?
「まさか、すり抜けた…いやいやいや。」
バカな考えが頭を過る。
ならどうやって?
私はしばらくう~んと頭を捻(ひね)るもなにも考えが思い付かないのだ。
「さて、どうしたもんか…」
「なら机の上の箱の中を覗いてごらん」
「机の上…えっ?」
今の声は一体誰?
まさか、幽霊!?
嫌だ、私が世界で怖いものランキング三本の指には入るもの!
「あわわわわわ…!」
「何をあわあわ言ってるの?良いから机の上を見てごらんよ」
「…」
そうは言っても、声の主が何処から発してるのか検討もつかないのにそう易々と請け合って良いものか…。
「(まあ、方法がないのだし、最初からヘンテコなことしか起きてないんだし今更怖がっても意味ないか)」
そう思い立って私は机を見た。
声の主が言うように机の上には綺麗な細工が施(ほどこ)された箱が置かれ、もう一つ手紙も一緒に置かれていた。
「綺麗…」
「開けてごらん、中はもっと綺麗だよ」
私は誘われるように手を伸ばし箱を開けた。
「わあ…」
中には色とりどりのキャンディがところせましと詰め込まれていた。
何て綺麗なのだろう。
「お食べ」
「でも…」
「きっと良いことがあるよ」
「…」
私はキャンディを一つ摘まんだ。
「ねぇ、あなたは誰なの?」
「さっきから君の目の前に居るよ」
「わからないわ。ねぇ、姿を見せて?」
「君は鈍感なのかい?それとも物知らず?」
「どちらでもないわ」
「…仕方ないね、今回は特別だよ?手の中を見てごらん」
「手?」
私は自分の左手を開いた。右手にはキャンディを持っていたからだ。
「そっちじゃないよ」
「えっ?」
「ゆっくり手を開いてごらん」
「…」
そこには-
「やぁ、お嬢さん」
「きっ…!」
「あー叫ぶのは無しだよ。ここでは皆が意思を持っているからね」
「…っ、い、し?」
「そうだよ。だからまずは挨拶だ。初めて会ったら皆挨拶をするだろう?
ごきげんよう、お嬢さん」
「ご、ごきげんよう。アメさん」
「よろしい。では、私をお食べ」
「お食べって食べても大丈夫なの?」
「大丈夫さ、そのために私は存在している」
「…」
何だか胡散臭さを感じなくはないが、これであのドアを通れるなら…
「(お腹壊しませんように!)」
私は一思いにキャンディを飲み込んだ。
「ゴクン!はあ!」
私はどうなったのだろう?
体に変化は起こってないみたい。
ならあのキャンディは何だったのか。
そう思ったそのとき-
「えっ…」
何だか視界が段々遠退いていく感覚に襲われた。
私は一体…