お題「空から見える景色」
いつもではないけれど
ふとした時に君を思う
旅立った時の
君の苦しみを思う
旅立つことを決めた時
君は笑えたろうか
君の声が耳をかすめる
時もあるけど
まだ僕はここに居たい
まだ僕は諦めていない
君の居る空は
色々な顔を見せるけど
君の居るところから見れば
僕はほんの欠片だろうけど
時間の流れをもう少しだけ
楽しみたいんだ
お題「相合傘」
傘に当たる雨音が好きだ
不規則なリズムは
耳から
手のひらから
からだに伝わり
僕の中で混ざり合う
夏の夕方に吹く
冷たい風は不穏で
一粒の雨は
あまたの仲間を連れて
過ぎ去っていく
少し横着な君は
少しの雨では傘を開かない
だから代わりに
僕が傘を開くと
狙っていたように
腕にすがりつく
夏の夕方に降る
痛いくらいの雨は
昼間の熱を連れていき
その後に残るのは
少し強めの夕日と虹
隣に君を感じるとき
僕は雨が好きになる
お題「未来」
呼吸をひとつするたびに
時間はひとつ過ぎ去り
僕は少しずつ生まれ変わっている
毎日新しいものに触れていながら
でもそれは新鮮ではなくて
僕は少しずつ老いてきている
この先できることは限られるだろう
けど
大切なのはやること
ではなく
やりたいと思うこと
言葉にすること
鼓動が止まるまで
僕は生まれ変わる
お題「1年後」
明日の僕はまだ僕でいられるだろう
梅雨の空から逃げるように
笑顔を浮かべながら友だちの話を聞いて
睡魔と闘いながら講義を聞いているだろう
来月の僕もそれほど変わりはない
少し忙しくなっているかもしれないけど
7時に起きて珈琲を飲むことに変わりはない
半年後の僕は仕事に就いているかな
雪の頃には少しは落ち着いてるかな
桜の頃にはもっと笑っていたいな
次の梅雨には
もっと
お題「世界の終わりに君と」
もしも明日で世界が終わるなら
君はどこにいるだろう
世界が終わるその日も
いつもと変わらない1日を過ごすのかな
そもそも明日で世界が終わることを
君は知っているのかな
世界が終わるとき
君は笑っているかな
世界が終わるとき
僕と手をつないでいてほしいけど
それはたぶん無理だと思うから
僕は五感の全てで
君の手を
髪を
瞳を
匂いを
思い出して
ギュッと丸まり
目を閉じるよ