1つだけ
「ねぇ1つだけお願い聞いてほしい」
そんな一言から始まった僕らの関係。
最初はただの軽い頼み事だと思っていたんだ。
コンビニに寄ってほしいとか、
ノートを貸してほしいとか、そんな程度の。
でも君の“お願い”は、
少しずつ形を変えていった。
「ねぇ、今日だけでいいから隣にいて」
「ねぇ、ちょっとだけ声聞かせて」
「ねぇ、他の人より、
ほんの少しでいいから私を優先して」
どれも小さくて、断る理由なんて見つからない
ものばかりだった。
気づけば僕は、君の“お願い”を待つように
なっていた。
通知が鳴るたび、心臓が少し跳ねる。
――ああ、また君が僕を必要としてくれる。
それが嬉しかった。
でもある日、君は少しだけ違う顔で言った。
「ねぇ1つだけお願い聞いてほしい」
その声は、いつもより静かで、少し震えていた。
「……もう、私のこと忘れてほしい」
時間が止まったみたいだった。
冗談だと思って笑おうとしたけど、
君は笑っていなかった。
むしろ、今にも泣き出しそうな顔で、
でも必死にこらえていた。
「どうして?」なんて言葉は出てこなかった。
ただ、胸の奥がぎゅっと締め付けられる。
今までの“お願い”は全部、君が僕を
繋ぎ止めるためのものだったのかもしれない。
でも最後のお願いは――
僕を、君から解き放つためのものだった。
「……聞けないよ」
気づいたらそう言っていた。
「それだけは、無理だ」
君は少し驚いた顔をして、
それから困ったように笑った。
「そっか、初めて断られた」
「だって、それお願いじゃないだろ」
「え?」
「それは、さよならだ」
言葉にした瞬間、やっと分かった。
僕はもう、“お願いを聞く側”じゃなく
なっていた。
ただの“僕”として、君の前に立っていた。
「じゃあさ」
僕は一歩近づいて言った。
「今度は僕のお願い、聞いてくれる?」
君は少しだけ目を見開いて、静かに頷いた。
「ねぇ――もう一回だけ、最初からやり直そう」
お願いから始まった関係を、
今度はお願いじゃない形で。
君は少しだけ泣きそうな顔で笑って、
小さくこう言った。
「……それ、ずるいよ」
でもその声は、
最初に聞いたあの日より、ずっと優しかった。
幸せに
ぼくはしあわせになりたい。
そんな儚い願いが叶うように
きみはぼくに歌を作ってくれた。
お気に入り
もう何年もそのままにしていた、古い数枚の手紙。一枚も読まずに、そっと棚の奥へ仕舞い込んでいた。
ある日、夢を見た。その夢の中で、あの古い手紙が私を呼んでいるような声がした。懐かしくて、どこか寂しい声だった。
目覚めた私は、震える指でその手紙を手に取る。
ゆっくりと封を開き、1文字1文字を噛みしめるように丁寧に読んだ。
それは、かつての私にとって何よりも大切だった――お気に入りの手紙。
気づけば、数枚あった手紙をすべて読み終えていた。滲んだ文字の向こうで、もう戻らない時間が静かに息づいている。
頬には、止めようのない涙が流れていた。
誰もがみんな
誰もがみんな生きてる
けれど辛さも人それぞれ
分かり合えるなんて
そんな簡単なことは出来ない
それでも認めあって
互いに支え合うことで
生きてるって実感するんだ
誰もがみんな優しさが溢れてる世界
そんな世界を夢見てる
Kiss
Love you and you?