空模様
いつも人の顔を伺って生きてきた
きっとこれから先もずっと
親、先生、友達にすら本音を言えたことがなかった
でも1人だけ私は本音で話せた人が居た
彼女はいつも同じ表情で私と話してくれる
何を言っても同じ表情、何をしても同じ表情
私はある日彼女を笑わせたくなった
それは人の顔を伺う為じゃなくて私が彼女の笑顔を見たかったから
変顔、コント、思い付く限りの事をした
それでも彼女は笑わなかった
笑わないんじゃない、笑えないんだ
それに気付いてから私は彼女の前で笑わなくなった
彼女が可哀想だとかんじたから
そしたらある日彼女が表情を変えた、笑顔ではなく泣き顔に
私は戸惑った
なんで泣いてるのか、なんで泣き止まないのか
考えても考えてもわからない
そしたら彼女が口を開いた
なんで笑わなくなったの?
続けてこう言った
私が笑わないから?、私が可哀想だと思ったの?
私は何も言えなかった、言う言葉が見つからなかった
何も言わない私も見て彼女は笑ってと笑いながら言ってくれた
した事は帰ってくる
いい事も、悪い事も
だから私はいいことをしたい
朝起きて、顔を洗って、歯磨きをして、朝ごはんを食べて、行ってきますと誰もいない家に向かって言って、学校へ行く
学校ではおはようと言い、勉強をして先生の手伝いをして、ご飯を食べて勉強をして帰る
繰り返し繰り返し
ずっと同じ事の繰り返し
ある日風邪で学校を休んだ
朝から夕方までずっと寝てた
夕方通知音で目が覚めた
それはいつも勉強を教えてる人からだった
「大丈夫?今日のノート録ってるから安心してね治ったらまた勉強教えて」
あぁやっぱりした事は帰ってくるんだな
(蝶よ花よ)
私は、蝶なんて大っ嫌い
花も紫も
あの人が好きだったもの全て嫌い
私は、この体は私だけの物なんだから
あの人を庇って怒られるのも、あの人を慰めるのも全て嫌
でもあの人に教えてもらった綺麗な紫色の蝶と、可愛い紫色の花それだけは嫌いになれない
弱い方の私はなんであんなに優しく教えてくれたんだろ、憎めないじゃんか