【特別な存在】
貴女と出会ってから、何もかも滅茶苦茶だ。
私の完璧な計画が、完璧な毎日が尽く崩れていく。
勉強する時間が減った。
無駄な出費が増えた。
隠してた本音を引き擦り出された。
恥もかかされた。
毎日毎日、貴女に付きまとわれて、私の平穏は消えてしまった。
今日は貴女がいない。
平穏な一日を過ごせるはずだった。
久々の平穏を味わうはずだった。
それなのに、どうして。
私の心はこんなにもざわついているの?
私の心は平穏から掛け離れているの?
貴女はいつから、私の平穏という、特別な存在になっていたの?
【二人ぼっち】
私には友達がたくさんいる。
根暗な私は、今まで友達がいなかったけど、貴女と出会えたから、色々な人と仲良くなれた。
誘われるようになった。
自分から声をかけることも増えた。
遊びに誘うこともするようになった。
でもね。
そんな中でも、私は貴女と二人で、二人ぼっちでいられる放課後のこの時間が、私は一番好きなんだ。
【胸が高鳴る】
ドクン。ドクン。
手に汗握るこの瞬間のために、私は生きている。
【不条理】
誰よりも真面目に生きてきた。
誰よりも正しく生きようとしてきた。
間違ってることは間違ってるとはっきり言った。
できるだけ100点を目指した。
失敗しないようにした。
そうすることで、完璧な私になれる。
お母さんに喜んで貰える。
完璧な人生が送れる。
全てを跳ね除け、自分らしく生きることができる。
誰もが認める私になれる。
そうして私が手に入れたものは…孤独と無力だけだった。
肥大化しただけのプライドが、私が持つ不条理の正体だ。
「コーヒーが冷めないうちに」
「そろそろ行きましょう。コーヒーが冷めてしまいますから」
言いながら、彼女はコップのコーヒーを一気に飲み干し、鞄を持ち上げた。
慌てて僕もカップを口にし、熱々のコーヒーをなんとか飲み干す。
僕の質問によほど答えたくないらしい。
なにせ彼女はアイスコーヒーを頼んでいたのだから。