「みらい」
さとう しょうた
ぼくは大人
サッカー選手になりたい!
サッカー選手になってゴールを決めまくるんだ!
ぼくは明日
友達と遊びたい!
友達と遊ぶのが一番楽しい!
ぼくは夕飯
オムライスが食べたい!
お母さんが作るオムライスはうちゅう1だ!
ぼくは今すぐ…
トイレに行きたい‼
「先生トイレ‼」
「…先生はトイレじゃありません。」
1年前
1年前彼女は海の水屑となりました。
1周忌僕は彼女が逝った海に訪れた。
黒いネクタイをしめて黒いスーツを着て
赤いバラが9本の花束を持って。
僕はズボンをたくし上げる事もせず
1歩1歩海へ進んだ。
すると誰かに足を掴まれた。
「やっやめてっ…。」
僕の必死の抵抗は水の泡と化して…
僕は浜辺に手を付きへたり込んでしまった。
目先を見るとバラの花束は
僕を置いて先に姿を消して沈んで
逝ってしまったらしい。
僕は膝に顔を埋めて涙に沈んだ。
「嗚呼僕は唯君と一緒に
なりたかっただけなのに。」
答えるのは虚しくも打ち寄せる波だけだった
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説明
「水屑となる」 水死する。
「涙に沈む」 ひどく涙を流す。
泣き伏す。
9本のバラの意味
「いつもあなたを思っています。」
「いつも一緒にいてください。」
好きな本
血管や熱を明け透けにする
その銀花のように綺麗な肌
風に靡くその柔らかく暗い小夜には
太陽に照らされて生き得る月華が映し出される
桜に攫われてしまいそうなほどに
華奢で麗しい貴方は流麗で美しい薄日が差す様な
耽美な世界に生きている
これからも私を甘美なる世界に陶酔させておくれ
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私の好きな作家さん長野まゆみさんが書く
私の好きな作品「左近の桜」をイメージして
書きました。
あいまいな空
梅雨の雨が降りそうで降らない空が大嫌い
白い雲だけの空は体が軽くて踊りだしちゃいそう
黒い雲だけの空は魔女が世界が滅亡しちゃいそう
今日はお友達と遊ぶ約束があって
晴れ晴れした楽しい気分だったのに
空に灰色の雲で雨が降りそうだからって
約束も楽しい気分も仮雨天中止
あ〜もう!
「白黒はっきりしなさいよ!」
そう空に文句を言いながら
曇った気分で
夜の様に暗い黒いコヒーと
白々開けの様な明るい白いミルクを混ぜた
大好きなカフェオレを飲んだ
あじさい
学校終わり小雨が降っていたので
傘を並べて友達と帰ってたら、
道端に綺麗なあじさいを見つけたの。
私
「小さなお花が集まってとっても仲良しさん。」
彼
「もしかしたら沢山のお花の中に
君とそっくりなお花の子がいるかもしれないね。」
私
「きっと隣にはお母さんとお父さんがいるの。」
彼
「その子は好きなお花の子はいるかな。」
彼はその子の声が聞きたくて
そっとあじさいに耳を傾けた。
そうすると小さな小さな声が聞こえてきたの
「私あなたが好きだったの。」
参考にしたあじさいの花言葉
「一家団欒」「移り気」