9/16/2024, 9:00:16 AM
一日中、「何か」が引っかかる様な感じがしていた。
暦の上では秋のはずなのに、未だに夏がのさばっているこの現状への不満かもしれないし、もう4連勤になるバイトの労働に際しての不満だったのかもしれない。
何かを話す度に、行動する度に。とまでは行かずとも、ふとした瞬間に、行動と行動の隙間に、思考と思考の狭間に。あるいは、思考と行動の間に休符の様に「何か」があった。
家に帰り、シャワーを浴び、夕飯をすませ、スマホをいじりながら歯磨きをする中でもその感覚は続いていたし、こうして布団の中に横たわっている中でも変わらず存在している。
もう夜も遅いしとっとと寝てしまうのが良いのだろうが、どうしても気になってしまい、なんとなく手掛かりを探すようにスマホを眺めていた。
そうして日付が変わる少し前にLINEを開いた時、トーク欄の一番上に普段の広告とは様子が違う物があった。「今日が誕生日の友達」らしい。誕生日?
「あ」
思わず声が出てしまった。
急いで一番上に固定しているトーク画面を開いたものの、今日が終わるまであと数分。そんな中では気の利いた言い回しなんて何も思いつかず、送れた言葉は「誕生日おめでとう」なんて簡潔で飾りの無い物。
すぐさまつく既読の文字に申し訳なさを感じていると、日付の更新を告げる中央のマークと共に送られてきた「滑り込みセーフ!!」という言葉。
そんな君からのLINEをみて、今日一日の疑問が解決した心地良さと、無事に誕生日を祝えた安堵と、4連勤の疲労と。様々なものが眠気となって一気に身体を襲い、その眠気に逆らうこと無く眠りについた。