冬になると店頭に並びはじめるみかんだが、ただ食べるだけというのが殆どだと思う。私の中でみかんというと、年が明けてすぐ初詣に行って社務所の人から「お供え物のみかんだよ、どうぞ」と貰うみかんが思い出される。寒い中ポケットに入れて家に持ち帰り、家族と「今年もよろしくお願いします」と言い合ってからテレビを見つつ食べるみかんが美味しいんだ。お供え物の効果はよくわからないけど、家族が向き合って食べるみかんは幸せの塊のような気がしてくる。
2022/12/30『みかん』
「冬はつとめて」その言葉を飲み込んで廊下のカーテンをあける。端のほうが結露した窓から外を見ると一面の雪景色だ。小さな頃はワクワクしたその光景も、今では寒いなぁという感想しか出てこなくなった自分に寂しさを感じる。さぁ、チビたちのあったかい服と手袋、遊んだあとのおしるこでも準備しますか。
2022/12/28『冬休み』
「おはよう」「行ってらっしゃい」「おかえり」「何してるの?」「大丈夫?」…貴方に向けるすべての言葉が愛言葉。
2022/10/27 愛言葉
しんという音がするほど静まった暗闇から私を見つめる瞳。あぁ、お前も1人なのか。その鋭い眼差しを少し弱めてくれないか?もう囚われて離れられないのはわかったから。そう小さく呟くと「ニャー」と返事が帰ってきて嬉しくなる。
これからはふたりぼっちだな。
2022/10/15『鋭い眼差し』
「もう少しだ、手を伸ばせ。」そう自分を鼓舞して今までやってきたけれど、今は上を見れない。顔を上げれない。そんな時間があってもいいんじゃないか。私は今、自分の足元を見つめながらそう考えてる。
でも、でも、だってって上を向けない、向きたくない理由をつらつらと並べて私の影と向き合う。どうしたって太陽は眩しくて私の心は陰っていて、そんな自分にうんざりして。あぁ、あの空に一筋の線を描いている飛行機雲のように気持ちよく空を彩れたら、どんなに幸せなんだろう。「そう考える時間も必要だろう」そう自分自身に言い聞かせながらこの影と向き合う。
高く高く飛んでいけるように。
2022/10/15『高く高く』