NoName

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8/5/2024, 7:24:03 AM

君にとってはつまらないことでも
私にとってそれは 水であり 酸素であり 太陽だった

君に蹴られた小石は私の数少ない友人だった
君が踏み潰した草は私の大切な家族だった
君が嗤った詩は私に平穏を齎す揺籃歌だった

それは私の心だった


-つまらないことでも-

12/15/2023, 5:27:51 PM


もううんざりなの
なにもみたくない
すべてがいらない
そう強く願ったとき
あなたは来てくれる

唸り轟音を轟かせて
視界の全てを無慈悲に凍てつかせながら
乱れ降る冷たい叫び
現れた白魔の名前は
"ホワイト・アウト"

おねがい 私からあらゆる識別を奪って
こんな世界に惜別の情など端から無いの
早くあなたの白一色に世界を染めて頂戴
飲み込んで 閉じ込めて ただ奪ってよ
そうしてようやく安寧が齎される頃には
既に私も白の中 静寂さえ認識できない
だけどそれがきっと私が望んだ平穏なの


…なんて、瞼の裏の世界のお話。

色も音も匂いも鮮やかに濁り汚れた世界で、
あなたに似た白い息を吐き出しながら、
夢想家の少女は今日も静かにその到来を待っている。


-雪を待つ-

12/12/2023, 1:52:36 PM

すべてが昏く汚れていくのが耐えられなくて
まだきれいな半分を切り離した
そうして生まれたのがあなた

美しいあなたはいつでも微笑んで
もう手遅れなわたしをやさしく抱きしめる
『あなたがいないとわたしもいられないのよ』と囁いて

同じ身体 同じ心 離れているけど離れられない
無理矢理剥がした傷口からは血が滴り続けているけど
痛みはわたしがみんな引き受けるから
あなたは大丈夫
わたしが守るから
大丈夫

あなたは今わたしの隣で透明に横たわっている
眠っているあなたは死体にも満たない虚像
はんぶんのわたしは心細い でも耐えなくちゃ
あなたを目覚めさせられるのはわたししか居ないのだから

震えながらこわい夜を過ごして
いつか穏やかな朝が訪れたら
あなたをそっと起こすから
そうしたらまた 当たり前のように
微笑んで抱きしめて

美しい心よ 願う限り 永遠でいて

まだ殺せないの ごめんね


-心と心-

8/3/2022, 3:16:01 PM

ねえ 貴方は私に夢中でしょう
私の色しか見えなくて
私の声しか聴こえない
匂いも味も 体温も
その世界の全ては 私で構成されている

幸せだけど ふと怖くなってしまったの

もし 今の貴方が正気じゃなかったら?
私は所詮貴方が見ている幻で
貴方が気付いてしまったら 全部おしまい
私の元から去っていく

主を失った夢はどうなるの?
どうしよう すごく恐ろしいの

だから その意識を沈めてしまいたい
現実を忘れてしまう程に深い闇に
私という夢の中に閉じ込めて
そしたら永遠に一緒に居られるかな

ああ、それがいい それがいいな
そうと決まれば 急がないと
貴方が笑っているうちに
何も知らないうちに
目を覚ます前に


おねがい ずっと私に夢中でいてね



-目が覚めるまでに-

7/31/2022, 3:57:29 PM

一人でいたい理由なんて単純なんだ

君を傷つけたくないから

君が大切だから

君の為に


嘘だ


僕の為だ

僕が大切だから

僕が傷つきたくないから

結局僕は僕が可愛くて仕方ないんだ

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