毎日海を見てた
毎日同じ場所で
お気に入りの
私だけの場所で
思い出すのは
夕日と波の音
そして満天の星
暑い日のまとわりつく風
寒い日の凍える北風
潮の匂いは思ったよりしなくて
あれから何年たつのかな
あの場所は
今もかわらず
あるのだろうか
ひとりで寝る事
1人分のご飯を作る事
新しいテレビを繋ぐ事
家具の組み立てをする事
暗い部屋に帰る事
どれも出来ないと
考えられないと思っていた
今は寝たい時に寝て
起こさなくていい
起こされなくていい
配線や組み立てだって
思ってたより自分でできる
ひとりだと散らからない
からスッキリした部屋に
帰って来られる
思った以上に快適で
寂しくないよ
我慢しなくていいから
泣きたい時に思いっきり泣ける
だからずっとひとりでいい
うん
だからずっとひとりでいたい
制服とジャージの日常
中学生にとってお祭りは
唯一おしゃれをして
同級生に会える
一大イベントの一つだった
お気に入りの朝顔の
浴衣を着せてもらい
さりげなく髪を飾る
約束などしていない
大好きな人に会えるかもと
胸ときめかせ出かける
人混みの中でそんな簡単に
会えるはずもなく時間は過ぎる
そろそろ帰宅時間
先生たちの見回りも始まる
歩き疲れ、履き慣れない下駄で
足は痛くて、いつのまにか着崩れた
浴衣はボロボロで
家までの道を足を引きずりながら
歩いている途中
「あっ」とお互いに目が合い
恥ずかしさで挨拶もできなかった
こんな姿を見られたかったわけじゃない
悲しくて、惨めで
あの頃は本当世界が終わった
とおもった
かわいくて甘酸っぱい夏の思い出
私には神様の声は聞こえない
それでも神様は私に天使を使わした
普通に真っ白なモフモフに
私にしか見えない羽がある
「にゃー」としか話さない
神様の声は聞こえないけど
私の心は知ってくれていた
この子の前に神様の元へ帰っていった
子が神様に話してくれたんだと思う
真っ白い小さかったモフモフの天使は
今は見違えるほど大きくなったけど
しっかり私だけには羽が見える
自分が整っていないのに
誰かのためなど考えても
誰にも響くわけなどない
ただ少なくとも
私を助けてくれた時
それはとても嬉しくて言葉では
言い表せない気持ちになる
ありがとうという言葉だけで
終わらせて良いのか悩む
だから誰かが言えない助けてを
私が知ってしまったなら
私は助けてくれた人たちの真似をする
思いっきり感謝を込めて