制服とジャージの日常
中学生にとってお祭りは
唯一おしゃれをして
同級生に会える
一大イベントの一つだった
お気に入りの朝顔の
浴衣を着せてもらい
さりげなく髪を飾る
約束などしていない
大好きな人に会えるかもと
胸ときめかせ出かける
人混みの中でそんな簡単に
会えるはずもなく時間は過ぎる
そろそろ帰宅時間
先生たちの見回りも始まる
歩き疲れ、履き慣れない下駄で
足は痛くて、いつのまにか着崩れた
浴衣はボロボロで
家までの道を足を引きずりながら
歩いている途中
「あっ」とお互いに目が合い
恥ずかしさで挨拶もできなかった
こんな姿を見られたかったわけじゃない
悲しくて、惨めで
あの頃は本当世界が終わった
とおもった
かわいくて甘酸っぱい夏の思い出
7/28/2022, 10:27:04 AM