蓮池

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6/20/2023, 2:13:41 PM

あなたがいたから

あなたがいたから、私は今日も息をしている

6/19/2023, 1:53:36 PM

相合傘

突然降り出した雨を見上げてる生徒たちを横目に、
鞄にしまい込んでいた折りたたみ傘を広げる。
念のため入れてて良かった、と安心しているとクラスメイトの彼が雨を見上げていた。
いつも見ていることを気付かれないようにしていた、私の好きな人。

今は傘がなくて困ってるし、声をかけても良いかな。
いや、他の人もいるしあんまり話したことないのに迷惑かな。

そうやって悩んでいると、一人の女生徒が彼に話しかけた。
彼が頷くと、彼女の愛らしい水色の傘に二人が並んで雨の中を歩き出した。
彼が傘を持ってあげてて、彼女が濡れないように傘を少し傾けていた。
遠目からでも楽しそうな二人だった。
私は二人を見ないように傘を前に傾けて歩き出した。
歩くたびに、ぽっかり空いた相合傘は寂しさと恥ずかしさで埋まっていった。

6/18/2023, 1:51:46 PM

落下

前に好きだって言ってたよね。

そう言って渡されたのは、お菓子のおまけについてくるマスコット。
あくびをした猫が愛らしく手の上に乗っていた。

よく覚えてたね。

本当にちょっとした会話だったから、笑って彼に言った。

君との話だから覚えてたんだよ。

猫の頭を撫でながら君は笑う。
うわ、やられてしまった!

6/18/2023, 4:04:58 AM

未来

君が大人になる頃に、
その言葉が希望と幸福の意味になりますように。

6/17/2023, 7:22:58 AM

1年前

男は1年前の過去に行けることが出来るようになった。

1年前の過去。
妻から離婚を言い渡される1ヶ月前。
男は良き夫となるように努めた。
妻と過ごす時間を増やし、今までしなかった家事や料理をするようになった。
それでも妻から離婚を言い渡された。

あなたと過ごす時間が苦痛だった。
私の都合も気持ちもあなたには関係なかった。
あなたはいつも自分のことばかりで、私のために何かをしてくれることはなかった。

男は身勝手だった。
良き夫を演じようとしたのも、妻と離れたくないという自分の気持ちだけだった。
そんな浅はかさを妻は見抜いていた。

結局、男は離婚を言い渡された。
二度目の絶望は、男のすべてを打ちのめした。

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