出かけると彼といつも会った
学校に行ってもバイトに行っても
コンビニに行っても遊びに行っても
どこでも彼と会った
またお前かよなんて呆れて
でもその時間がたのしくて。
大人になった今
会社に行くと必ず会う
私の前で仕事をするのだ
そして家に帰ると彼と会う
彼がソファに座っているのだ
私と彼の隣に座る
彼が口を開いた
俺らってどこでも会うよな
私は そうだね と返す
俺らは運命の赤い糸で繋がれてるな。
たまには明るいときにと思って
暑い夏の朝に外に出た
空は好きだから空を見ながら歩いていた
入道雲だっけ、
そんな名前のやつが
夏の空にいちばんあっていると思う
きれいで好き
そんなただのなんてことのない日
サッカーをして服で汗を吹くきみの仕草
そんな姿も好きだから
ぼーっとしてるふりをしてずっとみてる
きみは気づいてるのかな
何を思ってるのかわからない
そのあと話しかけに行く
近めの距離で
そしてきみの匂いがわかる
きみの匂いはだれよりも好き
夏の汗の匂いも冬の柔軟剤の匂いも
今年も夏がきたんだろうな
ここでもないどこかでもよかった
だって全てなにもないもの
じゃあね
それだけ言って別れたなんてことのない日
なんてことのない日にしたかった
自分の記憶に2%しか残らないくらい
どうでもいい日にしたかった
きみに片思いして
きみと会って
きみと話して
きみと電話して
きみと遊んで
きみを誘って
きみにしたことはたくさん覚えてる
きみと会いたかった
きみと会ったらうれしかった
きみと話せたらうれしかった
1番長く片思いした
両思いなんてことは望んでなかった
きみには好きな人がいるから
そして知る前からわかっていたから
私には付き合えないんだって
だからもうやめたの
きみのことは思い出さないように
きみの話はもうしないように
きみのことは好きだと思わないように
そうするって決めたの
だからもう会わないように
きみと会った最後の日。
98%の想い。