晴れた夜、空を仰ぎ見る。
街外れなので一面の星空だ。

夜空に瞬くひとつひとつの光。
この夜空には、すでに存在していない星が光だけを届けている事もあるという。

私も存在がなくなった後、何かを残すことができるだろうか。

一番の願い。

いま、大切な人が目標に向かって頑張っているところだ。

どうか、お願いします。
その努力が報われますように。

人の顔を覚えるのが苦手だ。
他の人はどうやって覚えるのか不思議に思う。

よっぽど頻繁に会っているか、強烈な個性を発揮していない限りは覚えられない。

『誰かしら？』
そう思いながら、今日も何人かに曖昧な笑顔で応対する。

できれば皆、名札を付けてくれないかなあ。

昔から色々なことを広く浅くやってきた。
一つのことを深くやったことはないかもしれない。

いつでも何かをできるようになりたいと焦っている。

花開く、とまではいかなくても、せめて何かしらの才能が芽吹くときが来るといいな。

あの日、母とドライブをした。
内緒で取った免許に、勝手に買ってきた車。

隣県の日帰り温泉と、その道すがら、他愛もない話をしながら本当に嬉しそうだった。

二人で遠出をしたのは、それが最初で最後だった。

親孝行はあまりできなかったけど、あの日のことを思い出すと、少しだけ心が温かくなるのだ。