遠雷
午後になると、何処からともなく聞こえてくる、雷鳴…
山に囲まれたこの地は、雷が多くて、時折、落雷の被害が出る…雷音が聞こえると、他人事ではなくなる…
ゴロゴロと、鳴り始めて、軈て、近くでも、稲光が走り、そして、真っ黒な雨雲を、鋭く照らして、大きな雷音が鳴り響く…
MIDNIGHT BLUE
あの時の記憶は、夜の帳と、あなたの儚げな瞳、静かな波の音…
薄暗い記憶の中で、何故あなたの表情を認識出来たのか、自分でも分からない…
本当は、他の記憶や何かの物語と混同しているのかもしれない…でも、あの時のあなたの瞳は、明瞭と憶えている…
あれから、どんなに探しても、あなたには逢え無いのに、無意識に、宵闇にあの瞳を探してしまう…
君と飛び立つ
この地から、2人で一緒に飛び立って、あの空を超えて新しい世界に行ってみたい…
君と新世界で、2人だけの王国を作って、永遠の愛に生きたい…
そんな、中二病みたいな事を思い乍ら、あなたの傍らで、夏空を見上げている…
恥ずかしくて、胸にしまったままだけれど、いつか、あなたと2人で、長い人生の旅に飛び立ちたい…
きっと忘れない
今日の事は、忘れるなんて出来ないよ…夕陽に伸びる2つ並んだ影法師…ひぐらしの声…少しだけ冷たい夏の夕風…
あなたと絡めた指にギュッと力が入る…そっと重ねた唇が、柔らかくて、伝わるあなたの胸の鼓動…
ずっと遠回りして、やっと辿り着いた、2人の関係…漸く結ばれて、あなたと一つになれて…こんなに幸せな時間を、忘れるなんて出来ない…
どんな未来が来ても、きっと忘れるなんて出来ないよ…
なぜ泣くの?と聞かれたから
いいじゃない…泣きたい時だってあるんだから…理由なんて、そんなの、君の所為に決まってる…君も、解っているでしょう…
君が、何時でも、唐突過ぎて、上手く言葉で返せないだけ…
ズルいよ、何時も一方的に…今だって、私の気持ち知っているくせに、突然言ってくるんだから…だから、天然だって言われるんだよ…
君が、バカ過ぎるから…