夢が醒める前に
このまま、ずっと朝が来なければいいのに…そう、神様にお願いしたい…
だって、私の隣では、あなたが微笑んでいる…優しい声と口調が、今は、私だけに向けられている…ずっと前から、この日を夢見ていたから…手の届かない、遠いあなたが、今此処にいることが、実感出来なくて…もしも…夢なら…永遠に、醒めないで…
胸が高鳴る
なんでだろう…最近、あの人の姿が見えただけで、ドキドキしてしまう…この間までは、一緒にいて、話をしていても、こんな感じ無かったのに…ただの友達の筈なのに…いつの間にか、遠くから見かけるだけで、嬉しい様な恥ずかしい…そんな気持ちと共に、胸の中がざわつく…忘れかけていた、胸の奥が締め付けられるこの感じ…何気ない会話でも、視線を合わせられなくて…今迄週末が楽しみだったのに、あの人の姿が見られないのが不安で、寂しくて…
不条理
なんで…ねぇ、どうして…
眼の前の光景が…
国道に止まっている車の上に、他の車が乗っていたり、電信柱や電線に、木の枝葉が引っ掛かっていたり、崖崩れで道がなくなったり…8月7日の朝、前夜の大雨の後の姿に愕然とした…平穏な日常が、大きく変わり、真夏の猛暑も加わり、消毒の匂いと溝の臭い…あの水害が怖くて、恨めしい…
泣かないよ
そんな事、云わないでよ…
そう云って、あなたが上目遣いで見ている…まるで、僕の心の中の奥底を覗き込む様に…
それは、きみに、無理させてしまうから…
きっと、あなたは、いつもの様に、強がって、心を擦り減らしてしまうのが、目に見えるから…
厭だよ、それっぽっちの事で、さよならなんて…私の気持ち、ずっと変わらないよ…だって、あなた以外の人なんて、考えられない…それに、あの約束…
そう云って、きみは、一層強い眼差しになった…
私、もう泣いたりなんかしないよ…
僕は、
本当は、きみと、ずっと一緒に居たいんだ…ただ、いつになるか解らない未来まで、きみを束縛するのは…
言いかけた時に、君の唇で塞がれ…
怖がり
本当に、お化け屋敷なんて、怖くないんだから…お、お化けなんて…いるはずないじゃん…はぐれないように、手を繋ぐだけ…なんだら…大人なんだから…こんなの怖くは…ない…
そう云う私を、ニコニコしながら、見つめるあなた…優しい眼差しに、ドキドキしてしまう…お化け屋敷葉は、ちょっとだけ怖いけど、手を繋ぐ口実が欲しいから…
それよりも、あなたが、何処かに行ってしまうのが怖くて…私もじゃない、他の誰かと、って思うと、怖くて…だから、あなたを捕まえて居たい…