例えば何千年後かに、この文字だけひとつ、朽ちたお墓のように発見されたなら、学者はその頭脳によって、詩人はその言語感覚によって、それがかつて意味した感触を再現することできるのだろうか。

自己診療に際して注意することは
ココロを瞬時に可視固形化し
利き手でつまんでゆっくり剥がし
外部はスケッチに描きやすい角度で
内部は冬晴れに当てるようにかざすこと
内外曖昧座標の小さな先の先の先
一点のみを食い入るように注視すること
もし、チラリと光る古代エメラルド色光を観測した場合
芯は失っても削れてもいないという語源なのだから
すっかり元の位置に嵌め込んで生きておけばよい

それを描く
それを描く あなた
あなたが描く それ
それをあなたが描く
必然が
ない あなたが
それを描く ない必然
あなたがそれを 必然と
描く それ を 願って
願って 必然と 必然と
あなたが 描く星

隣の隣の駅の本屋さんにすごく欲しいと思う本があって
でも最寄りの本屋さんにもあるだろうし
そこで買ってしまおうと考えた
けれどそういう時に限って置いていない
そういうことよ
そういう人生なのよジルベ〜ル

突然の君の訪問。
すぐさま寝たふりをしてみる
カツカツカツカツ。
これは、もうしまいきれないツメが床に触れる音だ…
4本足で、かわいいハチワレめ
ぴょんとかるく飛び乗って、枕元に近づくけはい
クンクンと髪の毛をかいでくるのがくすぐったい
「寝ているのか、どうなんだ」というふうに
こちらの顔を覗き込んでいるんだろう
寝てますよ、店じまい、もうふには入れられませんよ

しばらくすれば、サク…サク…サク…
これは、羽毛ふとんを踏みゆく足音である…
わざわざ腹を丁寧に踏んでから
仕方なくキャットタワーを選んだようだ