私が一番向いてることは、黙々と折り紙でくす玉をつくったり、積み木でお城を作ったり、好きな文章を写経したり、考えたり、そういうことであり、最も居心地が良いと感じるのは、親戚や家族が飲んでいるリビングの隣で、賑々しくも遠い声を聞きながら寝転がっている、和室でひとりの静寂です。

めをつむる固い四方の感触を全身にしずく落とす子ども

なんとなく、毎夜毎夜が過ぎるたび、人というのは失恋をしているのではなかろうか。恋を失うということは、好きなものを手放さざるを得ず、お別れをしなければならない状況があるということであって、恋恋、特に人が大人になるために、失ってきたものというのはあるだろう。ころんと道中落とすような恋恋があったろう。その意味で、人間間の恋愛のみこの言葉を当てはめることではない。