文明は距離による時間的差異を縮小し
あらゆるものを均一へ近づける
時間が空間化されていく時代
それでも時計の針の歩みのように
未だに人同士の心的な距離は時間を要する
心の快適速度は変わらず時代だけが加速していく
ああもう泣きそうだ
泣かないでといますぐ誰か言ってくれ
彼が私を悩ませる 限界がそこまで来ている
不快なネバつきを冷たい水道水で流す
かじかんだ手が洗い終わったものを弾いて床へ飛ばした
転がる二本の棒にため息 私の情緒はかき混ぜられる
水道水より貴重な涙 もったいないのに流れそう
なのにどうしてこうなるの
朝の食卓に再びネバつきの彼 選んでしまう私は苦しい
ああもう泣きそうだ
ナットウキナーゼには中毒性があると誰か言ってくれ
すべてはそれのせいだと私を慰めてくれ 限界だ
ストレス感じる朝なんて嫌 彼をどうにか忘れたい
誰でもいいからすぐにいますぐ
私がただの情緒不安定な食いしん坊ではないと
彼への愛とともに強く否定してくれ
大袈裟なマフラー 少し白い息 むき出しでかじかむ手
自転車を漕げば刺すような空気 ダウンジャケットの群れ
ロングコートの隣にミニスカート 枯れ落ちる木の葉
派手なニット 半透明の袋に鍋の具 静電気
捨てるマスク 明かりと暖房 ハンガーに掛けるフリース
数字が小さい天気予報 薄いカレンダー 早い夜
暗い朝 重いまぶた 厚手の毛布 特大な愛
始まっている
日笠陽子の「終わらない詩」は4:41秒
遠藤正明の「終わらない歌」は4:11秒
井口裕香の「終わらない歌」は4:00秒
ゆずの「終わらない歌」は3:40秒
THE BLUE HEARTSの「終わらない歌」は2:52秒で終わる
そんなに早く終わらせないで…
好きなものをひとつにまとめて
()で囲って右上にiを付ければ
そこはあいじょうで満ちている
こんなことでふふっと笑う
そんな人にもiを付ける