11/29/2025, 10:20:16 PM
ふと 空耳
懐かしい人の
声が聞こえる
生きている人ならば
慌てて
消息を知りたくなるが
亡くなった人ならば
会いに来て
くれたのかな
と 周りを見まわす
失われたはずの声の響き
言いまわし
何気ない言葉に
安心する
記憶の中から
その人が立ちあがる
11/28/2025, 9:32:28 PM
霜月と呼ばれる
11月
そろそろ霜が降りる
遠くの家々の屋根が
白く見える
紫陽花の葉の上
むき出しの庭の土にも
うっすらと霜
霜降る朝
人々が動き出す頃
少しの音もたてず
いつの間にか
はかなく
溶ける 消える
11/28/2025, 12:46:46 AM
布団乾燥機の
あたためで
フランネルの布団カバーは
かなり熱め
ネコが飛びのると
ふんわりに
小さなへこみ
この数ヶ月の疲労で
無理しているのは
わかってる
ネコは足もと
もう亡くなったひとには
隣に来てもらい
森の中で木漏れ日浴びる
自分を想像する
体の深呼吸
心の深呼吸
背筋ただして
11/26/2025, 10:07:52 PM
子供のころ
箱の中に裂があった
ペラペラな生地に不似合いな
大きな薔薇の刺繍
様々な色合いの
細かい重なり
ぷっくり立ちあがる花弁
どうやら
戦前 祖母が刺した物
数人の人と一緒に
仕事にしていたらしい
見本だろうか
親戚の家にもあった
お伽話のようなそんな話と
施された刺繍
時を繋ぐ糸のように
日本刺繍を習いたいと
言う人が出てきた
11/26/2025, 3:02:51 AM
前の道は坂の下
色々な落ち葉が
端に集まる
落ち葉の道
アスファルトの上の
濡れた葉は
ペタリとくっついて
ほうきの先に
力が入る
今日は庭のすみに
落ち葉を置いた
「堆肥になります」
らしい
いつの日にか
黒い葉脈の残る
ほかほかの土が
見えるかもしれない