久しぶりの帰省だった
子育て中は
なかなか帰れない
見なれた景色
通り過ぎる町も
山も田んぼも
ほのかに
変わっている

楽しい2.3日は
近況報告で過ぎ
もう帰り支度
幼かった息子は
小学生の甥と姪の
おもてなしに
メロメロ
車の後部座席で
いつまでも手を振る

消えない焔
これは
実際の炎
それとも
心の中の焔

この頃は
事故の元ということで
火はコントロールする事が
求められる
仏壇では
電気ローソクに
コンロは
電磁機器に
直火は隠される運命

私の中にも
すっかり熾火になった火
灰がかかり
まわりを温めるくらい
ちょうど良い

長い間
終わらない問いを
続けてきた
自分が思うより
他人からの評価が
うすいような

少し腹立たしく
人のせいに
することもあった
今思えば
やりたい事を
やる勇気がなかった
ならば
応援の声がなくとも
仕方がない

草の上に
20㎝もある
長い羽根が1枚
茶色と黒のグラデーション
心奪われる配色

ゆったりと
空の上で羽ばたく鳥
この時期　羽根は抜け
皮膚には
次の羽が用意されている

揺れながら
落ちて来た羽根
きっとこれは
地上を歩き回るしかない
私たちへの
プレゼント

その人がくれた
17歳の時の呼名
いつか忘れてしまうかも
不安になって
秘密の小箱に
閉じこめた

内側に
小さな字で書いた
水色の紙の小箱
空っぽだけど
空っぽじゃない
秘密の小箱