その人がくれた
17歳の時の呼名
いつか忘れてしまうかも
不安になって
秘密の小箱に
閉じこめた

内側に
小さな字で書いた
水色の紙の小箱
空っぽだけど
空っぽじゃない
秘密の小箱

無人島に行くならば
サバイバルはもう
ハードルが高い
昔の中国のお話しに
あるような
広い湖の中の
隠された島がいい
自分が行きたい時に
小舟を漕いで
いつでも行ける

深い霧の中から
徐々に見えてくる
隠れ家
1日リフレッシュして
夕方には
何食わぬ顔で
アパートに帰るのだ

ぐんと冷えて
こたつを出した
長袖長ズボンの
パジャマのうえに
キルトのエプロン
ソックス
首巻き
冬物で自分をくるむ
最後に残ったのが
ソックスの上のすねあたり
秋風に吹かれるように
スースーする
まあ　良いか
まだ冬ではないし

秋から冬へ
涼しいから寒いへ
季節の変わりめ

ネコも
一定の温度を下回ると
ブルブルの予感
人間の熱を見つけると
布団の中に
すっぽりこん

帰省して
幼馴染ふたりと会う

疑心暗鬼で
鎧った心が
ふっと
溶けていく

ここに
やさしい人たちがいた
そして
私もそうだった
一周まわって気づく
friends