実家にいた頃
雲海の写真を見た
親戚のおじさんの
しろうと写真だ

霧が雲のように見えて
私達の町をすっぽり包む
光は反射して照り輝く
おじさんは車で
霧を突破して
山の上の展望台に行ったのだ

秋のこの時期から
朝は肌寒く　曇り空
洗濯物は乾かない
11時くらいに晴れるのは
ざらだった

それを不思議には
思わなかったが
車で10分も走ると
光と霧の狭間があって
その上には
太陽がいつも
晴れ渡っていた

パンケーキと一緒に
運ばれてくる
ティーポットに
砂時計
もうひっくり返され
落ち始めている砂

白木の枠に
つつまれたガラス
小さな砂時計はかるい

砂時計の音は
終わりを告げる
ものとしては　はかない
子供に近い人は
最後の一粒を
じっと見る

今回のお題は
消えた星図
星座のことを調べてみたら
夜空をスマホでかざすと
星座が見えるアプリが
あるって　本当に？
私は初めて知りました

脳の中で
消えつつある
星座の知識
今夜は　こぐま座の
ふっくらしたしっぽと
北極星が見えるかも

いろいろ考えては
みるものの
愛も恋も
今日の曇り空のように
頭の中をソワソワと
ただよい続けるだけ

昔から
数学は苦手
答えは出ない

体操服を着て
敷物の上に
座りこみ
梨にかぶりつく

運動会の売店で
毎年ねだって
買ってもらう
袋に５個は入ってる
これは私の梨
指から肘に
つたう果汁
かまわず　かぶりつく