風鎮めの祭りを
坂の上の町で見た
夜がふけて
しずかな熱気は
今も続いているだろう

バスを待つ
広場の低い段に座り
君と見上げる月…🌙
灯りに彩られた町の
上空に月はある

ふと気づくと
奥歯を噛みしめている
私だけでは
ないと思うが…
そういう時は
奥歯に5ミリの隙間を
あけようと思う

眠っている時
意識の空白時間
私の歯ぎしりは
カチカチと鳴るらしい
リズミカルで
なんの迫力もない

台風がやって来る
ごうごうと
何かの生き物が
吠えているように
その太い尻尾を
振りまわし
自分にピシピシ
当てるように

台風が過ぎ去って
東の方へ行ったらしい
おとなしくなって
これ程
各地に影響を与えるものが
どこかで　ふいに生まれ
そして消滅するなんて
とても不思議だ

ひとりきりで
飲食店に
入ったことがない人も
いるらしい
親世代の人は
一人暮らしもせず
ずっと
守られてきたのか

夫を亡くしたその人は
どうしても食べたくて
回転寿司のカウンターで
お寿司を食べたよと
話してくれた

揃った高さの稲が
少しの風になびく
8月のはじめ
白い花が咲き
すぐ閉じてしまった
今　葉と同じ
緑色の稲穂をつける

夏の終わりの風景は
見渡すかぎり広がる
Greenの稲穂
やわらかいBlueの空
小さく色を添えるのは
赤とんぼのRed