8/25/2025, 6:38:21 AM
母の嫁入ダンスが
見知らぬ街の
見知らぬ通りに
置かれている
そんな夢
懐かしさに
まんなかの
小さな引出しを開けると
子供の頃のまま
ハンカチとミニタオルが
ぎっしり詰まっている
母のために片付けようと
姉と話した
夢はきっとそのせいだ
通りに置かれたタンス
雨に濡れないか
心配だった私
8/23/2025, 10:06:00 PM
モクモクと発達する
入道雲達
大きくなった
雲の向こうから
遠雷の音はやってくる
かすかな
ゴロゴロゴロ
高い場所で
迷っているようだ
晴れている空を曇らせ
夕立の中 雷を落とすのか
それとも
そのまま遠のくのか
毎日暑すぎるので
ひと雨来て欲しい
雷はちょっと怖いが
8/22/2025, 9:42:45 PM
雲ひとつない
真夜中の一軒家
月も星もなく
全てが
Midnight Blue
この家には
もう誰も
帰らないのだそうだ
たぶんそうなるのだ
青みがかった闇のなか
黒々と
家だけが残る
8/22/2025, 4:06:51 AM
短大に入るまでの
長い春休み
初めてのパーマを
友達とかけた
すてきなウェーブを
期待したが
なんだかいやに
クルクルしている
親戚のお姉さんが
父に気兼ねして
少しとる?
と聞いてくれたが
これでいいと意地を張った
友達はマシだった
君と飛び立つ18の春
それぞれ
インコの羽のような
前髪がおかしかった
8/21/2025, 2:29:44 AM
94歳の母は
3日前の事を忘れ
昨日の事を忘れ
今では
さっきの話を忘れる
母の頭の中では
記憶の川藻が
スルスル
流されていく
きっと忘れない
なんてことはない
川の流れは
ゆるやかで
時折
光が輝いたりもする