小学生のころの
帰りのあいさつは
さようなら
1択だった

大人になると
去り際の挨拶も
人により
場所による

友達同士
またね！
と　言い合うと

その跳ねるリズムに
こちらの気持ちも
弾みだす

父が喜ぶ
ビールの泡
ラテアートの
可愛らしいシロクマ
ひとくち舐めた
ソフトクリーム

子供にとって
アワは魅力的
泡で出てくる
ハンドソープが
美味しそうに見えても
しかたがない

舐めてみたい
このアワを取りこんで
一体となりたい
美味しい味が
するはずと

しんと静かな昼間は
子供が探検の旅に
出ている時だ
(あぶない　あぶない）

ただいま、夏
帰って来たよ夏
暑いのだから
頭に帽子を
チョンとかぶり
滝つぼの中に
体をひたし
しんそこ冷えるのが
良いでしょう

はたらく細胞
BLACKを読んで
おのれの
アルコール漬けの内臓を
想像した君

毎日　水に
炭酸を注ぎこむ
脳と体を
炭酸の泡で
納得させる

泡で納得できるのは
どこまでだろう

めっきり
無口になった君
ぬるくなった
炭酸水とともに
「寝る」と一言

宛名を書かなかった
手紙は
届かない手紙
届いてはいけない
手紙
丸いポスト
俯きかげんの口が
そっと受けとめて
くれたとしても

郵便局に集められない
白い封筒たちは
たとえば
波にさらわれたり
砂漠の砂に埋もれたり
風に乗って宇宙に向かい
端からヒュンと
火がついて
燃え尽きてしまうのも
いい