朝子

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7/12/2025, 10:38:50 PM

何もしない
夏休みだった
何もしなくてもよかった
親は朝から仕事で
奥の部屋には
何も言わない
おじいさんがいた

ラジオ体操に
行った後は
学校のプールへ行くか
兄弟でテレビを見る

夕方 寝っ転がって
夕立の後の
風鈴の音を聞く
目を瞑ったままで

私にツバサがもしあれば
羽根修復中の
ありがたい札が
掛かっていただろう

7/11/2025, 10:00:15 PM

自由になりたい
風のように
あまりに荷物が重くて
辛い日は
心だけ、逃避行
心だけ 風にのせて

私が買ったもの
私が望んだもの
私が授かったもの
捨て去ってもいいし
ギリギリで
持ち堪えてもいい
どちらでもいいんだ
どちらがいい?
と 心の中で
考えてみる

7/11/2025, 1:11:02 AM

熱波砂漠を
横断する冒険者のように
互いに声を掛け合う
次のオアシス(スーパー)で
食料品を調達して
少し休んで行こう

年々 趣味の散歩が
難しくなる
遠くから
大嵐のウワサも
やって来た

7/10/2025, 12:26:31 AM

昔のことを書く事は
過去に手紙を
届ける事に似ている

嫌なことが
何度も何度も
頭の中をめぐる

これをモチを突くように
つかんで放って
自分の思うように
形づくる

そこそこの鏡餅ができた
自分の心の中に据える
過去の自分にも
届いて……
と 願いながら

7/9/2025, 12:31:53 AM

町でひとつの駅は
皆んなが使う駅
何度もここから出掛け
何度も帰って来た
誰も彼もが
しかるべき時に
ここから旅立った
姉も弟も同級生も
そして私も

卒論の調査をするため
ここに帰ってきた日
一緒にいた友人が
同級生のあの子がいるよ
駅の向こう側
友人は知らない私の気持ち

会わなかった現実の
あの日の景色と
会いたかったという夢見る
あの日の景色を
幾度もくり返す

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