夏休みの
学校のプールは
毎日開放

青い青い
プールの底に向かい
みんなで
横向きに飛び込む

イモリのように
底のコンクリートを
手で押しつつ進む
息を止めて

空は青く
プールの縁は
火傷しそうなくらい
熱くて
みんなで飛び込む夏

ある日　お盆が来て
私はハッと気づくのだ
夏はもう終わると

ボールを投げて
くれたこと
おいでよと
手まねきして
くれたこと
自転車に乗って
ずいぶん遠くまで行った

甘い記憶
幼い　しりきれとんぼの
思い出は
苦さも辛さも
上書きされず
ただただ　甘い
sweet memories

神社の山の木々が
揺れる
5月に入ったばかり
様々な木が
それぞれの若芽を出して
黄色がかり
灰色がかり
青みがかる

山は巨大な
ブロッコリーのようだが
一房一房に
違う色を備え
風といっしょに
まるく揺れる

推しができれば
彼らのこれまでの
軌跡が知りたい
と思うもの

スマホを駆使し
検索すると
あらゆる事が出てくるが
いったん落ち着こう

人気者で
あればある程
大勢の人の
圧力というものは
凄まじい

歌が上手いだけではない
そこに在るのは
日々の圧に
耐えられる人だ

朝に昼に晩と
1日何回も
ニュースを見る
夫はニュースが好きだ

朝から
ご飯を食べながら
白骨死体の話
空き巣強盗の話

美しかったり
華麗だったり
ほのぼのしたり
そんな話を聞きたいのに

私はニュースを
好きになれない
けど
防犯意識の高い夫を
嫌いにはなれないのだ