小学生のころ
お茶を少し習った
茶道である
たいして覚えていないが
毎回　小さな勇気がいった

茶道の道具は
少し高価なものもある
子供にとっては
えたいのしれない
恐ろしさだ

終わると後片付け
流しで毎回洗う
落とさないように
割らないように
私は
茶碗洗いだけは
上手くなったように思う

楽しいことで
わぁ！
と言うのはいいけれど
見つけたとたん
絶望することもある

ベランダにある洗濯機
昔ながらの2 槽式は
いつも水を抜き忘れる

引越し業者のお兄さんに
抜きましょうかと言われ
まだ若かった私は
頷くしかなかったのだ

むかしむかしから
はじまる昔話
人の口から口へと
ずっと続いて来た

娯楽だったり
戒めだったり

終わることなく
くるくる続いてきたが

今では
白い紙に写しとられ
本となり積み重なる
物語は終わらない
終わらない物語

やさしい嘘も
嘘なので
真実からは
どんどん離れていく

大切なことほど
本当のことが
知りたいもの

今日は誕生日
ウチのねこは4歳になった
おめでとう
女ざかりだ

お客さんが来ると
ブルーの瞳をキラキラさせる
ガス点検のおじさんの
カバンを噛んでしまうので
抱くと　暴れまわる

ひと騒動終わり
彼女はだんだん眠くなる
空色の瞳は
徐々にすうっと
閉じていく