大人になると
でたらめに踊ることも
好き勝手に走りまわることも
叫ぶことも歌うことも
はばかられる
踊れるところで踊り
歩道をきちんと走り
カラオケでひとり歌う
コンサートに行くと
きらめくその人と客席の人々の
心と心がつながって
深い咆哮が聞こえる
私も
叫ぶ人と一緒に叫びたくなる
何でもないフリをした
ひどく傷ついた私は
途方に暮れて
小さな子供のように
なかったことにしたかった
すると世の中は
何事もなかったように
定まってしまった
あなたも安心したように
ニコニコする
私の心だけが軋んでいく
中学生の時
テニス部に入っていた
「エースをねらえ!」が
流行っていたので
同級生の仲間が20人はいた
まんがの中では
若くて素敵なコーチだったが
現実は おじさんと
おじいさんだった
裁判所や検察署の支所の
テニスコートを借りて
おじさんコーチは
丁寧に教えてくれた
私達は夏休み返上で
練習に通ったが
最後の試合も
上に行くことが出来ず
コーチをおおいに
残念がらせてしまった
キャッチセールスという人が
昔はいた
今でもいるのかな
わからないけれど
声をかけられて
とても高い化粧品を
買ったことがある
1回で懲りて
もう声をかけられても
手を振って断わっていた
田舎から友達が来て
本通りをブラブラ歩く
案の定 キャッチセールスが来る
友達は話しかけられて
素直に答えている
まずい
私は彼女と手を繋いで
すばやく歩き出した
彼女はもみじのような
小さな手で
私は 守らなければと
ついつい思ったのだ
お世話になった友達と
会う時などは
いろいろな思いが
出てくるのである
この前お世話になったから
言葉を尽くしてお礼が言いたい
今度何か渡したいけど
何がいいんだろう
でも あまり大げさでも
気を使うだろうし
このカフェなんか混んできたけど
ここじゃないほうがよかったかな
ガヤガヤしてて 話ができないかも
この前はいい感じだったのに
もうひとつだったかも
いろいろ考えてても
いざ 会ってみると
彼女のペースに巻き込まれ
ありがとう、ごめんね
くらいしか言えないとは