静寂に包まれた部屋で
私は眠る
暗い中とても静かなのは
みる夢に心が囚われているから
人間がこびとのような子供を生む夢
目に見えないくらい小さな子
でも大人になると普通の人
そして年寄りになると
だんだん小さくなる
年寄りのこびとだ
子供も年寄りも
とても愛らしい
目が覚めて夢の事を思っても
不思議に怖くない
いったい昨日何かあったか
思い出せないけれど
昔から
手を握ったり
握手したり
手を出す前に躊躇する
相手の気持ちを慮って
初めから手を出さない
その選択が1択
ずいぶん前から
母の家から遠い場所に
住むことになった
めったに会えない母
いつまでも会えるとは限らない
帰省した別れ際には
素直に手がでて握手する
今では
母の気持ちも
自分の気持ちもよくわかるから
通り雨は
サーッと来て
サーッと過ぎ去る
いろいろなものを濡らしていく
道路や屋根や子供達
少しの雨は植物を目覚めさせ
窓の埃を振りはらう
街の空気も涼しくなったよう
秋は散歩にもってこいの季節
帽子も日傘もいらないし
日陰を選んで歩くこともない
黄色や赤に色づいた葉を
あちらこちらと見上げて
ゆっくり歩く
秋の先駆けのトンボ
トンボは数が多いほどいい
皆でスイスイ涼しそう
散歩にもってこいの秋は
たぶん とても短い
行く秋🍁を惜しむのだ
たまに、ひとりで宿に泊まる
ビジネスホテルが多い
料金と駅からの距離、それから口コミをよく見る
この前、泊まったホテルは、料金のわりにインテリアが素晴らしかった
ロビーには、ネコ脚のソファ、シャンデリア、絵も掛かっている
改装されたばかりと言う事で、期待が高まる
しかし、安いのには理由があった
泊まった部屋には窓が無かったのだ
窓から見える景色を、期待していたわけでは無い
ただ、窓が無いのは辛い
部屋には、可愛らしい壁紙がはってあり、凝ったつくりのテーブルや椅子もある
ここにもシャンデリアが輝いている
私は、だんだん息苦しくなってきた
小さな窓でいい
景色は、隣りのビルの壁でもいい
外が見たいと思った