秋は散歩にもってこいの季節
帽子も日傘もいらないし
日陰を選んで歩くこともない
黄色や赤に色づいた葉を
あちらこちらと見上げて
ゆっくり歩く
秋の先駆けのトンボ
トンボは数が多いほどいい
皆でスイスイ涼しそう
散歩にもってこいの秋は
たぶん とても短い
行く秋🍁を惜しむのだ
たまに、ひとりで宿に泊まる
ビジネスホテルが多い
料金と駅からの距離、それから口コミをよく見る
この前、泊まったホテルは、料金のわりにインテリアが素晴らしかった
ロビーには、ネコ脚のソファ、シャンデリア、絵も掛かっている
改装されたばかりと言う事で、期待が高まる
しかし、安いのには理由があった
泊まった部屋には窓が無かったのだ
窓から見える景色を、期待していたわけでは無い
ただ、窓が無いのは辛い
部屋には、可愛らしい壁紙がはってあり、凝ったつくりのテーブルや椅子もある
ここにもシャンデリアが輝いている
私は、だんだん息苦しくなってきた
小さな窓でいい
景色は、隣りのビルの壁でもいい
外が見たいと思った
形のあるものは
目に見えるもの
最初の記憶は友達の家にいた
大きな雌牛
あまりに驚いたので
いっぺんに覚えた ウシと
形の無いものは
目に見えないけれど
この世にたくさんある
腑に落ちるまで
理解することは難しく
周りをぐるぐるまわるだけ
保育園にある
大きくてカラフルな
ジャングルジム
1段目は赤ちゃん達のため
小さな靴をはいて
横棒を持って立ち上がる
てっぺんの高い場所は
年長さんが激しく
登りつめるところ
小さい子達は
そのスピード
足の動き
奇跡のようなしなやかさを
目に焼きつける
故郷を離れると
故郷とは違う方言を
人々はしゃべっている
優しいその人は
私に旅行に行った話を
面白おかしくしてくれる
でも その人の言葉は
私の目線の少し上を
音楽のように流れゆく
私はだんだん
眠りの中に沈んでしまう
声が聞こえる
ただ 意味を捕まえられない