カーテン
この家のカーテンは薄すぎる。
光を遮らないから
4:30には光で起こされてしまうのだ
この家のカーテンは命綱。
西陽の暑さで床が焼けてしまう
ペットの命までも守っているのだ
この家のカーテンは飾り。
飾りというと聞こえは良いけど
開けたら立派な青空が見えて
本当はこっちのが窓の
役割を担っている気がする
カーテン越しの光
カーテンの向こうの青空
同じ時間で 同じ条件で
2つの顔
青く深く
最大の愛は母が子に向けるもの
別の愛は青く深いもの
静寂で時の感覚を止めてしまう程
動かない、動く必要がない
施さない、施す必要がない
ただそこにいてみつめている
あなたの心をみつめている
自分がどんなに泣き濡れたって
動かない 施さない
ただみつめている
いつも君の姿を直視出来るのは
背中と後頭部と脚だけ。
顔見ても家に帰ると忘れている。
忘れるから写真に残しておきたいんだけど
撮る勇気と口実が見当たらない。
君の顔ってそんなにいけてない
見てるのは君の表情であって
パーツや造形じゃないんだ
君の表情は記憶に焼き付いて
離しておきたくないよ
顔をそんなに覚えてなくても
顔はそんなにいけてなくても
記憶の地図
海外で祖父母の家を訪ねると
その周辺を1人、家族と少し離れてふらふらする
言葉も通じない
家族を見失ったら本気でまずい。
幼い頃本当に迷子になったらしい。
言葉を喋らない私と
警察は笑顔でいたという。
大人になった今
あまり言葉を介さないコミュニケーションが仇になる事が多い
言葉をあまり必要としなくても通じ合えるのを
知っちゃってるから。
限度はあれど
それは多弁でもいっしょでしょ?
でも今会話による表現をああ…大事なんだなーって痛感してる。
身振り手振り表情や目線だけでは
自分を表現し尽くせないらしい
というか 想いを
適切に 相手に 伝わらない らしい
美しさと汚さは同居する
そう思った
可愛いとそうでもないが
隣り合わせに感じるような
時もある。
整った唇 その口が大きく開かれる
その姿に下品さを感じなくもない
でもそれは普段の美しさから
下品さが垣間見えた事に
強く印象深く残っただけの事かもしれない
どうあれ君の一つ一つの表情が
意味ありげに映ってしまうんだ
実際君はそんな表情や動きを
楽しんでいる
相手の反応を鏡代わりにして