たくちー

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12/25/2025, 7:02:29 PM

 祈りを捧げる。「あ」の音を口内の5箇所から正確な発話で行う。目覚めの際、食事時、そして礼拝の時間。自身を通して神々への感謝を捧げる。意味をなくした通過儀礼であっても、祈りは神が神である事を思い出させてくれる。そして実りの季節が再び訪れる。稲を刈り、酒を醸造して奉納する。自身の身体は神への感謝を捧げる媒体物である。ゆえに不浄な行為もまた神へと捧げられてしまう。ただ一途に祈りを捧げる



題『祈りを捧げて』

12/24/2025, 7:06:56 PM

 ふらふらと路頭に迷った旅人が灯台の明かりを目指して螺旋状の段差を登る。踏みならされた獣道は長い年月を感じさせる。灯台の前には一軒のコテージがあり、鍵はかかっていなかった。最低限の毛布や家具があり、ひび割れた食器には雨漏りした水が溜まっていた。テーブルには一冊のノートがあり、表紙には"書く習慣"というタイトルが書かれていた。パラパラと捲ると感謝の言葉と絶望の怨嗟が入り乱れており、さながら天国と地獄だった。だがどちらも本音なのだろう。誰にも知られずに消えていく言の葉を地縛霊のように現世に留める。思えば遠くまで来たものだ。今は冬だが、旅に出たのは夏頃だったか。ここに辿り着くまでに何万歩の努力をしてきたのか。そもそも努力したという認識すらなかったかもしれない。気づいたら此処にいた。ここを訪れた誰かも同じだったのかもしれない。遠い日のぬくもりを思い出しながらペンを置く。次に此処を訪れる誰かのためにペンは置いていくことにした。…ふと思い出してもう一度ペンを取る。

メリークリスマス。
来年こそは恵まれた年でありますように



題『遠い日のぬくもり』

12/23/2025, 6:47:45 PM

 ほとんど眠ることができず、時々腕を上に動かして人感センサーを光らせる。充電が切れかけているが明日までは持つだろう。この先の未来は二股に分岐していた。このまま何もせず待つか、幸福になる手段としての金銭を得るために健康を崩す可能性がある仕事へ募集するか。揺れるキャンドルは、人生の残り火はどれだけ残っているだろうか?何の根拠もなく上手くいく未来と失神して病院のベッドで目覚める未来。希望と不安がマッチ箱で擦れて生じた灯火が眠ることを拒絶していた。目を閉じると複眼のような大量の黒点がざわめいていた。目を開けて思考を停止させる。とりあえず一歩前へ。鶏のように生きる。今日はクリスマスイヴ。ハッピーチキンと揺れるキャンドル。



題『揺れるキャンドル』

12/22/2025, 7:09:53 PM

 オゾン層の破壊された世界では太陽は光害だった。夜廻り猫は光の回廊を避けながら徘徊する。変わらない日常の中で青カビのように目先のパンに齧りつくことだけを考えて生きている。



題『光の回廊』

12/21/2025, 7:13:43 PM

 嫌いな人は顔も見ないし、話が噛み合わない相手は話すだけ無駄。だからこそ、感情を爆発させて傷つけるのは最も信頼している人だ。私にとっては母がそうだ。互いに信頼しているのに傷つけあってしまう。自分の中の絶対的な琴線に触れて、先に謝ることを頑なに拒絶する。他人から見れば先に謝った方が良いというのは簡単だ。だけど、いざ自分がその立場に立つと絶対に受け入れられないのだ。それこそ、このまま絶縁状態になるのではないかと生まれて初めて思った。今回は母が先に謝ってくれた為、関係を持ち直すことができた。ボクから謝ることが出来ただろうか。難しいかもしれない。ボクの期待した言動や表情と180度違う反応をされて絶望してガッカリしていた。そんな状態で全てを飲み込んで"もういいや、もうなんの期待もしないからあっちに行ってくれ"なんて思うなら、それこそ信頼していない証拠だろう。爆発するのは信頼の裏返しだ。互いに微妙な気を配る関係は、ジェンガみたいに息苦しい。



題『降り積もる想い』

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