【クリスマスの過ごし方】×【蛙化現象】
私が蛙化現象を持っていると知りながら告白する貴方。
貴方は一体どれほどの勇気を持って告げてくれたのか、私が考え、語れる立場では無いのでしょう。
暖かな窓の外を眺めれば、
聖夜の白雪として舞い落ちることの出来なかった微雨が
凍て空から虚しくアスファルトの上に打ちのめされている。
…けれども、私は考えてしまう。
私が貴方の立場なら告白をすることが出来たのだろうか。
自分の好意を伝えれば、結ばれる訳もなく振られて嫌われるのだと分かっているのに。
「本当にごめんね。
私の蛙化現象が治らない限りは貴方の気持ちを
〝好意〟として素直に受け止める事は出来ないの。」
なんて、ここで言うのは狡いよね。
「
拝啓、君へ。
種を植えたのなら、
美しい太陽を見せてくれますか。
」
𓂃 𓈒𓏸✎
【聖杯】
少しずつ、満たされていく__。
ポチャン。ポチャン。ポチャン。
少しずつ、満たされていく__。
1滴。1滴。1滴。
少しずつ、満たされていく__。
1滴。
それは、私達の気づかない間に
少しずつ、満たされていく__。
1滴。
それは、私達が気にも止めなかった時間で
少しずつ、少しずつ満たされていく__。
1滴。
それは、私達が少しずつ重ねた歳月と共に
少しずつ、少しずつ満たされていく__。
1滴。
見えぬ所に落とし穴があるとも知らず
少しずつ、少しずつ満たされていく__。
1滴。
零れ始めていることに気づけず
少しずつ、少しずつ満たされていく__。
1滴。
もう満たす容器すら、持たぬというのに
「。」
【終わらせないで】
今は…今はできない。
だから待って、
このまま終わらせないで。
そう言うと、
陶磁器のような肌の白さと対象的な
艶々とした腰まで伸びる美しい黒髪を
夏風に靡かせている少女は1粒の涙を零しつつ
(?)
【浴槽】
ぶーぶー、とあなたからの通知音。
私の心が揺れ動くように鳴るその振動が
恋という浴槽に落とさせたのだ。
【花火】
花火を見て、美しいと感じた。
この文化に触れることが出来てほんとうに良かったと思った。
私が今世に生まれてきた理由はこれなのかと、そうであって欲しいと思い、願う程に。
この空に舞いあがる色とりどりに輝く美しい火花が、私の記憶出来る1番の思い出になればいいのに。
もし、来世でまた花火を見ることが許されるのであれば、来世で生まれ変わった私はわけも分からず、自然と心から涙を零すのでしょうか。