偶然、君に巡り合えたのか
疑り深い私には時間がかかる事を
君は笑い飛ばして壁を蹴破って
運命だと、私に言った
誰にも話さない暗闇を君が話してきた深夜
私はじっと聞きながら似た境遇に運命と
少しだけ思えたんだよ
誰にも話さない暗闇の話を私がした深夜
君は黙って聞いてくれた後によく笑わせてくれ
少しだけまた運命だと思えたんだよ
どうでもいい外野の声がうるさくて
君の声がかき消されて
私の声も届かなくなった時に苦しむ私の手を
君は離してくれた
疑り深い時間のかかる私は
ほら、運命なんかじゃないと
自分に言い聞かせるのがやっとの過去
お互い苦しみの中で巡り会って
お互い苦しみの中で離れてしまった
また君の声がどこかで聴こえるから
聴いた私は泣いていた
巡り会ってももう届かない
勝手にまだ運命だと想って生きてみるよ
遅ればせながら君の巡り巡った言葉を
信じているよ
時々、私は家出をする
早すぎる介護と毒親と睡眠不足の毎日から
解放されたいために
いつまもの鞄一つで飛び出すので
行き先も時間も決めてない
さて、どこへ行こう
晴れてる日は青空を見上げながらぶらぶらと
歩くお腹がすく。自分のご機嫌とりのために
いつもは食べないジャンクフードでガシガシ
食べる 。満足。自分のために使うお金と自由
大人になって良かったと一つだけ思えるコト
店をでてまたぶらぶら歩く
バスに乗ろうか電車か誰かに会おうか
帰りが深夜の時もあれば
現実に戻るために夕方にノロノロ帰る
誰かに会う日もあれば
知らない人混みに紛れる日もある
どこへ行こう
自分だけのために時間とお金を使い
贅沢で悲しい1日
そんな日があるからまた私は現実を生きていけ
そんな日があるから私はまた寿命を延ばせる
物語の始まりは
いつだって悲劇だ
物語の途中は
いつだって激動だ
物語の終わりは
いつだって感激だ
真っ暗な部屋で赤いランプに怯えて
独りで泣いていた一月
いっそ消えたいと頭を抱えた
近くで点滅するスマホの画面に
涙がたまる震える手で押した画面が
白く光る
どこかで遠くの声が響いている
大丈夫だよと光っている
あの時の声がなければ
私はいなかった
今でもあの時のあなたの遠くの声が
私の心の中で光っている
夜の闇に呑み込まれそうな深夜
上手く息ができなくなる
近くからカタカタカタカタと音がする
小さな命が何キロも走る音
小さな足音が小さな幸せな朝を呼ぶ