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9/9/2023, 12:07:21 PM

 あんたは世界に一人だけ。
 俺も世界に一人だけ。
 そこら辺を歩いているこいつも、俺たちを使うだけ使って見下してくるそいつも、どこか遠い地で烏と寄り添い合っているだろうあいつも、世界にたった一人しかいない。
 そう、唯一なのだ。

 それじゃあ、俺があんたに向けるこの想いも、広く浅く鮮やかなこんな世界にたった一つだと思ってもいいか?
 唯一だと、大切なのだと伝えても、果たして神は赦してくれるだろうか。


▶世界に一つだけ #8

9/7/2023, 2:46:49 PM

 歌うように眠りましょう。
 ともに夢の世界でステップを踏んで、くるりひらりと散る花びらの美しさに感涙を浮かべ、美酒に酔いしれ、細く柔らかな肩を優しく包み込んで。
 そうして二人で堕ちてゆきましょうね。


▶踊るように #7

9/6/2023, 9:09:54 AM

「なー知ってる?」
「知らない」
「まあそう言わず。チョークって、本来棄てられるホタテの貝殻を砕いたものと、炭酸カルシウムっていうのを混ぜて作るらしいよ」
「ふ~ん」
「つまり、今ものすごい量のチョークの粉を吸った私は海の幸を取り込んだことになると思うのだけれど、どう思う?」
「やっぱり君の頭って面白いくらい沸騰してるなあって思う」


▶貝殻 #6

9/5/2023, 9:53:20 AM

        星のひらめき
        ひとみは瞬く
       怪しくつややかな声
        紅唇が囁いた

     「この光は終を知らぬぞ」


▶きらめき #5

9/2/2023, 12:05:56 PM

 命の灯火はきっかけさえあれば
 わりとすぐに消えてしまうけれど、
 心の灯火というやつは
 そう簡単にゃ消えてくれないらしい。


▶心の灯火 #4

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