4/7/2024, 5:29:47 PM
沈む夕日
引っ越した頃、窓から差す夕日には気持ちよさと景観を独占する事への優越感を感じていた。
次第に外での不安や苦痛をためていくと、夕日はただの生活の一部となった。
失業し、疲れ、立ち上がれない自分は時間が余っている。
毎日、変わらない自分に比べると夕日は毎日違う時刻にたんたんとやってくる。
思うことはある。
外から漏れ入る子供の声。
隣の家の食器の音。
これは変わらない。
毎日、同じ時刻だ。
なら、自分も変わることに焦る必要はない。
そう思いたい。
必ずくる夕方に、すこし恐怖が芽生えたのは少し前。
今はどうか考えに耽るだけで、何もしなかった1日と人々の生活音に負けた実感が湧く。
同時に何もなかった1日に安堵した。
明日、何を感じるのか。
何も無い時間に空虚な思考のみが充満した部屋。
夕日は空虚を加速させた。